吉和村のすい仙

16年位前に広島市内から車で一時間半くらいの村、
旧吉和村にアトリエを借りて住んだことがありました。
そこは近くにスキー場がある、雪深い山にある小さな村です。
最近ランニングにはまり、マラソン大会に出てみようと選んだのが、
この吉和で行われる初開催の大会で、
それも久々に村を訪れたいという理由からでした。

大会に向かう道中、懐かしみながら通い慣れた道、数年ぶりに車を走らせていると、
朝もやから沿道両脇に浮かび上がる黄色いライン。。。
よく見ると可愛らしい水仙の無数の花が出迎えてくれました。
行けども行けども黄色いラインは続いていくのです。

そう、私が住んだ頃、地元のおじいちゃんやおばあちゃんが「吉和を水仙の村にするらしいぞ!」と
息巻いて話していた記憶が、ふと脳裏に蘇りました。

ここは雪深く、過疎も深刻な土地、人手もなく決して恵まれた環境ではなく、
本当にそんな事できるのかな、、、と思ったのも同時に思い出しました。

しかしあれから十数年、一つ一つ球根や苗を植え、
村中の至る所すみずみに、水仙を丁寧に咲かせ、
今なお大切に管理を続けておられるんだな。と風景の美しさと、
その想像した経緯に込み上げるものがありました。


↑これが借りていたアトリエ。
廃墟になってたらどうしようと思ったけど、
どなたかお住まいで安心しました。

一つ一つ、自分の手でできる事を地道に積み重ねたら、
時間はかかれども作れる景色もあるのだと、
地に足つけて歩いて行きたいとあらためて考えさせてくれた風景でした。

今のタイミングに訪ねることができて、本当に良かった。大切な事を教えてくれました。

お世話になったおじいさんも亡くなり、
遊びに行く機会が少なくなりましたが、
やはりここにくると居た頃の気持ちが蘇り、
胸が苦しくなるような青臭い感覚を覚えます。
初個展の作品も、この村で作ったし、バイトもいっぱいしていたな、、、とか。

沢山の想いと記憶の残る場所。
また訪ねようと思います。

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